酒屋八兵衛

 時々お世話になっている酒屋(杉本商店)さんのお世話で、酒蔵見学にでかけました。日本酒の世界にどっぷりはまってから、日本酒の勉強をだらだらとしてきましたが、遂に、本物の蔵見学の機会がやってきました。と、言っても酒は寒造りといって、秋に始まり春に終わります。つまり、この時期は甑倒しも終わったオフシーズンなので、造りの現場を見ることはできませんが、その一部を垣間見れるだけでも、ファンとして嬉しいものです。
 場所をしっかり把握していなかったのですが、伊賀上野あたりと思っていたら、殆ど伊勢でした。行き先は、酒屋八兵衛で有名な(?)蔵、元坂酒造三重県多気大台町と言われても、まったくどこかわからず、地図で確認していなかったのですが、片道2時間以上の行程でした。
 勝谷氏の にっぽん蔵々紀行のように上手く表現できませんが、杜氏も兼ねるという48歳蔵主、元坂新氏の案内で、伝統と格式のある旧家然とした蔵の玄関を通って中へ・・。利き酒用の、純米大吟醸1・山廃純米2・純米1の4種類が用意されていました。最初にこの4種類を利き酒して、軽ーく血中アルコール濃度を上げてからの見学となりました。きき酒と言っても、しっかり呑んでしまいますが、好みは、山廃(137号)。
 中へ入って、精米機の横にある大きな釜、放冷機。麹室は入れませんでしたが、醪の入った大きなタンク群、階段をあがり、上槽前の醪を2種類味見しました。本醸造用と純米吟醸用。アル添前で、炭酸をたっぷり含んだフレッシュな味わいで、いくらでも呑めそうです。









隣の部屋には、ヤブタ式かどうかわかりませんが、自動醪圧搾機があり、その隣には、絞られたばかりの『あらばしり』があります。ここでも一口試飲しました。初々しいピリピリ感が残る酒です。







 一通り、見学が終わると、東ちづる似の蔵主の奥様(元坂桐子さん)の手料理と酒屋八兵衛の組み合わせを頂くことになりました。やっぱり、山廃純米の137号(伊勢錦の60%精米?)がいいです。これを燗してもらったりして、贅沢なひと時を過ごさせていただきました。
 午後2時過ぎに、元坂酒造を後にして、途中『伊賀の里 モクモク手づくりファーム』で休憩し、主催者のお店『福ずし』さんへ到着。どうやら、このメンバーは、ここのお店の常連さんのようで、我々は、若干(とっても?)浮き気味でしたが、ここで、美味しい魚介・豚肉・野菜満載の鍋を頂き、止めの酒として、蔵で頂かなかった雄町純米吟醸(H14BY)の古酒を呑み、まだまだ元気そうな皆さんと別れて、失礼しました。

 杉本商店の杉本氏も、福ずしの大将も、本当にお世話になりました。見ず知らずの見学ツアーの皆さん、場違いな二人が、雰囲気を悪くしていなかったでしょうか。貴重な体験をともにさせていただきありがとうございました。
※最後に、私の右隣で、若干酔った私の偏った純米酒論を聞かされた方、本当に失礼しました。