今回は、新潟の酒です。端麗辛口・水のような酒?と評される越後の酒は好みでないので、個人的には避けてきましたが、今回は、律儀で優秀な後輩が気を遣ってくれた一品で、ただの越後の酒とは違うようです。蔵は、『越の誉』で有名な、原酒造。1814年創業という歴史と、田中角栄が日中国交回復した晩餐会で乾杯酒に選ばれたという怪しげな名誉で有名なんですが、何といっても、中越沖地震

7月18日の毎日新聞によると
中越沖地震:酒どころ直撃 「越の誉」の原酒造、土蔵全壊』
『倉庫内で割れた酒瓶を片付ける従業員たち=新潟県柏崎市新橋の原酒造で17日、酒どころの新潟で、中越沖地震によって有名な酒造会社が大きな被害を受けている。柏崎市新橋の「原酒造」。貯蔵タンクのある土蔵5棟がほぼ全壊し、出荷前に瓶詰めした酒も1万本近く割れた。原吉隆社長は「中越地震にも耐えた蔵だったのに。被害は1億、2億円ではきかない」と落胆する。・・・・・・・毎日新聞 2007年7月18日』
ただ、原酒造のHPを見れば、この記事の二日後には、再生に向けて力強い声明を発表しておられます。頑張れ原酒造。今度は自前で買って応援します。

『越の誉 もろはく』ですが、非常に高価な酒のようで、スペックを見ると、山田錦35%精白の純米大吟醸の8年熟成古酒です。『もろはく』は、諸白で、麹米だけ(片白)じゃなくて、掛米も精白米を使うという意味だそうです。8年熟成の純米大吟醸。冷やして呑めと書いてありますが、少し燗も試してみます。この商品の開発には、相当の困難があったと推測されます。蔵主の父親の言葉が紹介されていて、『父の寛は『酒の熟成を徹底的に研究しろ。そのためならタンク1本、2本の酒が無駄になっても構わん』と現場に指示しました。熟成酒は難しく、現場の努力も徒労に終わる日々が続きました。しかし、このあくなき挑戦によって“もろはく”が誕生したのですが・・・・・』 魂のこもったこの一品をじっくり味わって見ます。頑張れ原酒造!