鷹勇

 鷹勇 山廃純米(50%精米)H9BY

仕込年月:平成9年BY、仕込水:地下軟水(70m)、原料米品種:山田錦・玉栄、精米歩合:50%、酵母:協会7号、日本酒度:+5.0、酸度:1.5、アミノ酸度:1.3、粕歩合:35%、杜氏:坂本俊(出雲杜氏)、平成19年3月出荷

 美味しいに決まっている酒なのですが、山廃だし、名前が勇猛果敢ってイメージなので、軟弱な私は、恐る恐る呑んでみました。当然でしょうが、香り、旨味、酸、後味・・・最高のバランス。冷で呑んでも、あれっと思うほどバランスがいいのですが、ちょいと燗をつければ、旨さ100倍です。
50%精米して、35%の粕。つまり15%が溶けて酒になったようです。粕歩合が高いほど、高級酒だそうで、あまり溶かさない方がいい?通常25〜30%が多いが、吟醸造りの場合、低温で米を溶かさないように発酵させるため、30〜40%を超えるものがある・・・・と解説されています。この酒は35%です。このあたりはよくわかりません・・・大谷酒造の規格は、他の蔵とは異なるようで、このスペックだと、通常純米吟醸クラスでしょうか。まあ、そんな事とは関係なく、この山廃純米は、燗酒の最高峰に仕上がっています。よく考えると、平成9年BYで19年出荷?10年も寝かしていたのでしょうか。それでも、古酒・熟成酒などの表記はありません。二度と入手不可能だと思うと、少し悲しくなり、ネット上を探し回り、もう1本注文してしまいました。

 実は、悲しい知らせを風の便りに聞いたのです。平成17年に大谷和正氏が逝去されたのに続いて、平成18年BYを最後に、坂本杜氏が引退されたらしいのです。平成18年度BYが最後の作品です。19年BYからは、出雲杜氏の曽田さん・・期待と心配が交錯します。上原・永谷・大谷・・・純米酒造りの功労者達のあいつぐ逝去。そして坂本氏の引退。少し心配です。