奥丹波(野条穂)


 かつて普通に作られていたけど、生産性の悪さから、姿を消したが、その米で造った酒は、今の酒にはない素晴らしい味わいだった・・という言い伝えが残っている『幻の米』を復活させるパターンはよく聞きますが、実は、そんなに旨い酒に出会った経験は僅かしかありません。
山田・雄町・五百万石などにしても、その年の出来不出来によって、造りに大きな影響がでると聞いています。幻の米を復活させると言うことは、その米で造る作業そのものが初めてだったり、経験に乏しい訳ですから、米の真価を発揮させることは至難の業(??)なのかもしれません。と、思いつつも、ついつい手を出してしまいます。亀の尾や強力は沢山手を出しました。特に強力は鳥取県を中心に本当に美味しい酒が沢山あり、大好物のひとつです。
 今回、墓参りの後に、奥丹波の蔵(山名酒造)で見つけたのは『野条穂』。チョット調べると・・・以前丹波篠山で田んぼの真ん中の古い民家に、道に迷いながら蕎麦を食べに行った事(一会庵)がありました。ストイックな雰囲気の店主がやっている蕎麦屋でしたが、山名酒造の米の生産者の中に、この店主の名前が。彼は『野条穂』を自分で作って、山名酒造で作った酒と自分の打った蕎麦と合わせているようです。また、あの明石にある『全量山田純米・無ろ過・無添加・無加水・酒槽絞り』を標榜しているガッツリ系の太陽酒造も造っているようです。これは期待していいかもしれない。とりあえず、『奥丹波』は冷蔵庫で待機させて、私の体調の回復を待って(?)、呑んでみます。美味しかったら、ウエキくん作『神稲』も買おうかな・・