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江川は、73年のドラフトで阪急の１位指名を拒否し、法政大学へ行きました。77年のドラフトでは再びクラウンライターに１位指名されましたが、それも拒否し、母校作新学園の職員となり、アメリカへ野球留学。その約1年後のドラフト会議前日に帰国。そして1978年11月21日、巨人と入団契約を行いました。
時代は、福田赳夫内閣、自民党全盛時代。巨人と言えば、時のオーナーは正力松太郎の長男亨。73年にV9が終了し、75年に長嶋が監督に。なりふり構わず補強を行うものの日本一にはなれず、78年も広岡ヤクルトに逆転されてしまい、問題のドラフトをむかえたのです。江川が根っからの巨人ファンで、ドラフトを2回拒否してでも巨人に入団したかったのならそれでいい。ただ、彼が選んだ選択は、空白の一日騒動だったのです。当時作新学園理事長、船田中は自民党副総裁の実力者で、彼と読売巨人軍（正力亨）がどのような関係にあったかは知りませんが、彼らは野球協約の不備を利用し空白の一日に江川と契約するという暴挙に出た訳です。信じられます？こんな暴挙が許されると思います。その後のドラフトで、巨人との法的争いを逃げなかった南海・近鉄・ロッテ、そして阪神の4球団は抗議の1位指名を行いましたが、巨人は地裁に提訴したり、現在の枠組みから脱退すると恫喝したり、最終的にコミッショナーは、一度阪神に入りその後巨人にトレードするという苦渋の選択を阪神に迫り、最終的に江川の巨人入団を成立させたのです。そのトレードも野球協約違反であり、江川の契約金は巨人が払ったり、最後にコミッショナーは辞任するという･･･何かもうめちゃくちゃな騒動ですが、そこまでして巨人に入りたい、或いはそこまでして巨人は江川が欲しかったのでしょう。私は未来永劫こいつを許す気になれません・・。そして、そのとばっちりが、小林繁に及んだ訳です。阪神ファンの私には、どこか巨人の匂いを纏ったままの彼になかなか親近感を覚える事はできませんでしたが、既に62勝していた彼はその後阪神に77勝をもたらしてくれました。そんなあなたが昨日急逝されたと聞きました。心からお悔やみ申し上げます。