残念なのは・・・

 私より10歳下のスーパースターが引退しました。球場には、イチロー・桑田が駆けつけ、引退セレモニーには、カネさんも登場し、長渕剛は異常なテンションの高さで『とんぼ』を謳っていました。これほど盛り上がった引退試合は久しぶりです。ただ、ちょっと残念なのは、主役がゲストであって?、ファンじゃない?。ぼろぼろに泣いている清原は感動しているのかもしれませんが・・・・。
長嶋の引退試合を覚えています。彼が引退する少し前から後楽園球場は、異様な興奮で包まれていました。その異常なまでの興奮の頂点が引退試合でした。長嶋の動きのひとつひとつに連動した満員の観衆のどよめきを覚えています。阪神ファンの私にとって、王さんはどうでも良かった(憎きライバル球団の主砲)ですが、長嶋は、愛すべき選手でした(村山・江夏・田渕・掛布・・は、もっともっと好きですが)。ただ、東京にはこんなにも強烈に長嶋を慕うファンがいるんだと心打たれました。

清原の引退試合は確かに感動的でしたが、でも何か少し違う。彼は、23年のプロ野球人生の11年を西武で過ごし、縦縞を横縞にしても・・・と言った吉田を袖にし、その後の9年を巨人で過ごしたのです。彼ほどの大選手なら、本来巨人が礼を失することなく彼に花道を用意するべきでした。それが、入団の時に、裏切ったこの球団は、最後に、この偉大な選手に花道を用意するどころか、使い捨てにしたのです。ナベツネから見れば、取るに足らないスポーツ選手なのかもしれませんが、偉大な野球選手が多くの日本人に与えてくれた感動の大きさからすれば、ナベツネの方が取るに足らないタダのデブ。
西武と巨人が放棄した引退への花道を、故仰木彬氏が用意したのです。肝心の仰木彬氏は既にこの世を去ってしまい、何か物足らない引退セレモニー・・・。本当は、あのオレンジのタオルを振り回していた人たちこそ、清原を盛大に送りたかったのではないでしょうか・・・・・・・・・・・・・・。

巨人の王は、ナベツネに代わり、精一杯の気持ちを清原に投げかけてくれたようです。泣かせるねえ・・・。