本屋で何気なく購入した上原浩氏の本『純米酒を極める』http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334031781/ref=ase_ex-book-22/249-1078333-3870721
を読んで以来、純米酒の世界にどっぷり浸ることとなりました。もう50前ですが、ビール、バーボン、焼酎、泡盛、ウイスキー、ワインなど、およそアルコール飲料は何でも飲んできました。ただ、日本酒だけは、どうも好きになれなかったのです。
一般に、日本酒と言えば、まず、灘の酒、白鶴・大関・日本盛・菊正宗・・・ついで、伏見の酒、月桂冠、松竹梅などでしょうか。テレビCMで名前が知られているのは、こういった大手の酒ばかりです。皆10万石以上の大量生産酒で、白鶴などは30万石以上です。戦前当たり前だった純米酒は、戦争を境に姿を消し、醸造用アルコールで希釈された酒が主流となっています。
ところが、昭和50年以降に吟醸酒ブームが日本を席巻しました。このブーム以降、フルーティーな吟醸香を漂わせる、金賞受賞の大吟醸が珍重されるようになります。このブームのおかげで、全国の地酒にスポットが当たったのでしょうが・・・
結果として、美味しい・高価な酒は、冷蔵庫でキンキンに冷やして呑み、不味い・安い本醸造以下の酒が燗酒として出されます。酒には、美味しい酒と不味い酒があり、大吟醸の一部を別にして、美味しい酒は常温でも少し燗をつけても、それぞれの温度帯で独特の美味さを発揮します。それなのに、日本酒を置いている、殆どの居酒屋、割烹、鮨屋・・・殆どそのことをわかっていないのです。ちょっと燗をつければ美味しい酒でも、『これ燗してくれますか?』と聞けば、99%の確率で、『えっ?この酒は燗できませんよ。冷酒ですよ。』と返事が返ってくる。酒は、安い燗酒と高価な冷酒に分類されており、私のような客の言うことは全く聞き入れてくれない。酒を客に提供する立場の人は、プロとしての自覚をしっかりもって、勉強して欲しいのです。この日本が生んだ本当に美味しい酒のことを。先日も、東京の有名鮨屋で暴れてしまった・・・・
実際に味わって本当に美味しかった酒をいくつか紹介します。これらは、所謂大手の酒ではありませんが、本当に美味しかったのですよ。
- ①神亀酒造の春(ひこ孫) 純米吟醸
- ②宮本酒造店の福の宮 純米吟醸
- ③羽根田酒造の羽前白梅 純米吟醸
- ④磯自慢酒造の磯自慢 大吟醸
- ⑤八戸酒造の陸奥田心 純米吟醸
- ⑥西田酒造店の田酒 特別純米
- ⑦佐藤酒造の初駒(華宝) 純米吟醸
- ⑧神亀酒造の華(ひこ孫) 純米吟醸
- ⑨豊盃 純米大吟醸
- ⑩大七酒造の大七 生モト純米大吟醸
- ⑪宮本酒造店の夢醸 限定無濾過生 山廃純米
- ⑫旭菊酒造の旭菊 麗 純米吟醸
- ⑬鯉川酒造の鯉川 純米吟醸
まだまだあるが、この辺で。
ただ、つい1年前まで全く知らなかった酒ばかりです。
もう、越乃寒梅も呉春も要らない。
日本には、優秀な小さな蔵がまだまだ多数あり、杜氏さんは劣悪な?環境にめげず頑張っておられます。少しばかり応援したいと思うのです。