城北菖蒲園は、11月1日から約1カ月、菊花展が開かれます。この時期は、春に絞った酒が旨くなる時期でもあり、燗酒がさらに旨くなる時期でもあります。この酒呑みにとって最高の時期に、最適の酒を買いました。

 
 複雑な旨みですが、切れがいいので呑みやすい。故上原浩氏の魂が最も濃厚に受け継がれている山根酒造場ならではの酒です。生酛で、しかも酵母無添加。蔵付き酵母と言えば、滋賀の上原酒造の不老泉を何度か呑んだことがありますが、今回の日置桜は、酵母無添加の生酛の酒です。非常にベーシックな酒造りで、酒母と呼ばれる酵母の大量培養工程が、『水麹』を作る、酛立てから始まり、荒櫂を入れて摺る山卸。そして見たことないですが・・・・

  • 1)酛寄せ
  • 2)打瀬(支配菌が交代する期間)
  • 3)初暖気(糖化促進・乳酸菌の酸生成・雑菌衰退・清酒酵母増殖)
  • 4)湧付き(酵母が増殖し、炭酸ガス↑)泡が丸く盛りあがってきたら、暖気中止。
  • 5)酛分け(酒母を分割して、冷やして休ませる・・)
  • 6)枯らし(再びタンクに戻し、徐々に発酵させつつ、酵母を強く育てる)
  • 7)酛卸(酛立てからここまで1か月)

と約一か月かけて酵母を添加することなく、生き残った最も強い酵母が大量培養されるのだそうです。本当にいつも同じ酵母なのか、本当に1種類の酵母なのか、狙った味の酒ができるのか・・・など素人には疑問が多々ありますが、今回呑んだ、『日置桜H20BY 生もと純米玉栄65%』(玉栄65%、酵母無添加Alc.16.2%、日本酒度+7.0、酸度3.0、アミノ酸度1.8、瓶燗火入、タンク貯蔵、常温貯蔵)は、旨い訳です。冷で燗でも・・。ラベルには『酒は純米 燗なら尚良』上原氏の有難いお言葉が・・。このラベルを貼ってある酒でまずい訳がない。