レフト狩野

 彼の眼は潤んで見えました。随分辛い思いをしたと思います。長い間、控えで苦労をしてきた筈です。彼も、もう10年目。初ヒットが3年前の今日。つまり、それまでの6-7年間2軍生活だったのです。チームには、基本的に捕手は一人しかいりません。正捕手が元気な場合の控え捕手は、殆ど出番がないですし、ましてや第3第4捕手の出番は皆無。矢野も41歳となり、昨年やっと正捕手の座が見えてきました。08年は12試合しか出てませんが、09年はなんと127試合。打率も262です。文句ないでしょう!?やっと自分の時代がやってくると信じていた筈です。それが、マリナーズの城島が阪神に?『何でやねん?聞いてへんで!』 人生何が起こるか分からないですが、まさか・・・という思いだったでしょう。そして、外野へのコンバート?外野も守れる控え捕手?そんなポジションを甘受し、耐えがたきを耐えつつ練習し、尊敬すべき鉄人の負傷がきっかけで、今日を迎えたのだと思います。あのチェンジアップをバックスクリーンに近い中段にぶち込んだ時、どんな思いでしたか?
オメデトウ狩野。よくやったね・・・。お立ち台インタビュアーは、あまりに言葉不足で残念でしたが、甲子園の阪神ファンはわかっていたようです。

散髪直後のタイムです。