不愉快な現実 中国の大国化、米国の戦略転換 (講談社現代新書)
『米国は、優位性の追求からオフショア・バランス追求へとその戦略を転換。つまり、米国の海外プレゼンスを縮小し、欧州やアジアにおける安全保障維持の責任をもっと地域諸国に委ねるようにすべき?』と、米国の軍事戦略は大きく変わりつつあるらしい。つまり、増大する中国に対する脅威に対抗するのに、日本を利用しない手はないのであって、その為に、稀に見る好条件で基地を提供してくれる日本は重要らしい。
それでも、万が一日本が中国に攻めこまれたら(現実的には尖閣諸島だが)、米軍が日米安保を背景に出てくるかと言えば、島嶼部への侵攻に対しては自分で守ることが規定されていて、日本は自衛隊で対処するしかないそうです。でも、今の自衛隊では全く歯が立たないので、多分、あっという間に実効支配は中国の手に落ちるらしい。アメリカは自国の利益のみを考えて行動しているのであって、決して日本の為に血を流す訳はない。尖閣諸島は自国の領土だと声高に主張するということは、結果として、中国の軍事行動を促すことになる危険性があり、自前の軍隊が脆弱で、戦えないのに、軍事大国に喧嘩をしかけるなんて、暴挙にしか思えない。