時代遅れかもしれないが、都会でも地方都市も、小さなコミュニティーの集合であり、その小さなコミュニティーには、小規模の個人商店が、それぞれのニーズに見合う形で、商品・サービスを提供してきました。5年10年という単位じゃなく、もっと長いスパンの中で創られた、住民の生活様式に寄り添うようなシステムであった筈です。それが、規制緩和という一面の真理でしかない御旗を掲げた愚かな官僚の手により、大規模小売店舗法が撤廃され、我々から見たら、バッタモンの味気のない、騒々しくて品がない、広い土地に大きな駐車場を備えた、大規模店舗が乱立しました。そこでは何でも売っていて、シネコンもあり、半ズボンにTシャツを着た親父が運転するワゴン車が、躾け不十分のガキを連れてやって来て、一日中遊んで帰ります。彼らにとっては、歓迎すべき理想的な空間なのでしょうか。
 市場原理に出店閉店を任せてしまうと、長い時間をかけて築き上げた日本人にとって素敵なコミュニティーなんかあっという間に破壊されてしまいます。バイパス沿いに大規模店舗が出店し、人の流れが大きく変わり、かつての商店街はシャッター通りと化しました。市場原理は厳しいもので、出店も早ければ、閉店も早い。コンビニを見ていると分かりやすいですが、綿密なリサーチをして出店し、それでも意外な結果であれば、さっさと閉店していまいます。商店街のお店ではあり得ない事です。
 リーマン・ショックで、大規模店舗が閉店してしまったら、地方都市はもう再生不可能。・・・そして、今、日本は再生不可能状態?この国の官僚・政治家は、この日本を住みやすい国にするための努力をしているのでしょうか。一事が万事、今の官僚システムには何も期待できない気がする。