あたご

 国民の生命財産を守るべく建造された、日本のハイテク技術満載の大型船舶は、早朝、漁場へ向かう船団で混み合った沿岸地域を、前方確認することなく、いや、確認してもあまり気にすることなく、まっすぐ自動航行のまま突っ込んだ。逃げ惑う漁船群。そして逃げ遅れた漁船のひとつが真っ二つに引き裂かれてしまった。

 ハワイ沖で、猛スピードで移動する偵察衛星海上から撃ち落とす為なのか、ミサイル防衛システムの演習に行った帰りなのかしりませんが、この、国民を守るべき人たちにとって、成功裏に終わった大事業の後、漁場へ急ぐ漁船は、何に見えたのでしょうか。海に浮かぶゴミ屑? 脳梗塞で体が不自由になりながらも家族の為に働く父、高校中退してそれを支えた孝行息子。この尊敬すべき親子が彼らにはゴミに見えたのでしょうか。軍を掌握できていない防衛大臣は、「あってはならないことが・・・・・」と謝罪?「あってはならない」?この当事者のいないかのような発言、天災のような発言、信じられない。自分が掌握できていないから、天災なの?
 大型トレーラーが信号無視して、集団登校する小学生の列に突っ込んだら、トレーラーの運転手は、即刻逮捕されて、証拠は保全されるでしょう。トレーラーの会社の社長は、まず、『とんでもないことをやってしまい、本当に申し訳ありませんでした。』と言うべきでしょ。『あってはならない・・・』やと?
 やはり、この自衛という名の軍隊は、彼らのみがもつ、独特のルールの中で動いているようです。